ドラマ化もしたことで有名なメガネチェーンのオンデーズ田中社長
講演を拝聴する機会がありましたので、3つのポイントにまとめた備忘録です
【企業情報】
(株)オンデーズ メガネ・サングラス等の販売を行うチェーン店の企業
売上高 約180億円 従業員数 約1,900名 代表取締役 田中修治
東南アジアを中心に世界12ヵ国、日本国内と併せて200店舗以上を展開
講演の概要
2008年当時、売上20億、負債14億、営業赤字が毎月2千万という状態で倒産寸前と言われていたオンデーズを引き受け、10年間で売上180億までV字回復させた大幅な構造改革についての講演
- V字回復させた秘訣とは? → 秘訣なんてものは無い
赤字企業は沈没寸前の船によく例えられる
船底に穴が開いており、そこから浸水して沈むイメージが一般的には持たれる
田中社長も当初は赤字の原因(穴)を探ろうとしていたが見つからなかった
- ではどこから浸水していたのか? → 船全体からじわじわと浸水していた
➀メガネの品質…それなりに良かったが100人に1人不良品が出る。その1人は来なくなる
➁店舗環境…それなりに綺麗に見えたが100人に1人気づく汚れがある。その1人は来なくなる
➂接客態度…問題なく見えたが100人に1人クレームを起こしてしまう。その1人は来なくなる
上記の様に様々な要因で少しずつお客様が来なくなり、全体で前年比80%といった状態になっていた
田中社長がとった対策は
当初はヒット商品企画や斬新なキャンペーンを考えたがその場しのぎにしかならなかった
結局のところ会社は「人」
地道に一つ一つのレベルを上げていくしかない
社長や幹部社員が様々な要因全てをチェックすることは不可能な為、細部まで社員各自が完成度を高めていくことが経営再建の答え
優秀な社員を育て120%の力を発揮してもらうことが社長の仕事と考えた
- どの様に社員に力を発揮してもらうか → 納得感を与える
どの様な企業でも社員は不満を持つ。しかし不満に対して納得感があれば、それを改善しようと動いてもらえる。給料が安いという不満も理由が分かれば解消しようと社員は努力をする
行った改革はどんなものか
不満に対して納得感を与える為の改革
- お金の動きの透明化
不透明だった販管費、営業費用など、社長の給料まで一般社員に見える形に改革
- 人事制度の大幅な改革(選挙制度)
店長・エリアマネージャーなどの管理職を立候補制度に。全社員参加の総選挙で決定する
任期は1年。「なぜあの人が上司なんだ」という不満が解消される(理由が明確になる)
- 仕事をゲーム感覚に(社内仮想通貨の導入)
航空会社のマイルを参考にした制度
「売上目標達成」「業務改善案提出」「無遅刻無欠勤」「他店舗との売上競争に勝利」などを達成するとマイルが付与される
たまったマイルは様々な商品と交換可能
マイルは社員間でもやり取りが可能
シフトを変わってもらったお礼にマイル付与等が可能
獲得マイルに応じてステージ(地位)が上がっていく。管理職にならずとも真面目な社員が評価される仕組み
上記改革により10年前は50%の離職率が5%まで減少した
コメント